単独ないし２～４人ぐらいの少数で活動していても設定に無理のないPC
グループメンバーがどんな面子でも必要以上に攻撃的にならずに済むPC

伝助　http://densuke.biz/list?cd=rtxvktwzw9YwcwrT

突発で単発のインスタント。
開催日時は日曜～木曜のいずれか、21時からを予定。１回か２回で終了（たぶん）。
シナリオの進め方次第でマスコンの有無は変わりますが、率いる兵力はGMが用意します。

アトラタンのどこかにある小さな開拓村、ドッコーカノ村は潜在的な危機に瀕していた。

「村長」
「……今日もか？」
　やってきた狩人頭のエルミーナに、ドッコーカノ村長のエンボスは出し抜けに聞いた。
　小さな若葉が引っかかった深緑のフードを目深に被ったまま、先程まで偵察に出ていたといった風体で、エルミーナはエンボスの曖昧な質問に、疑問を差し挟むこともなく是と頷く。
「はい。グリーンスキンどもです。遠巻きに見られています」
　グリーンスキン。ドッコーカノ村から山ふたつ離れた魔境から出現する投影体の総称である。姿は人間と猪を掛け合わせたような生き物で、その名の通り強い緑色の肌をした、なんとも醜悪で凶暴な怪物だ。
　徒党を組んで動物だけでなく人間を狩りに来ることで知られており、エンボスは近くの開拓村から女子供が攫われたという報告も受けている。
「これで三日連続か」
　エンボスは太い腕を組んで、どうしたものか、と考える。
「自警団は？」
「リュケイン団長には伝えて、今頃、危険のない範囲で追い払いにかかっていると思いますが……」
「気負ってまた無理をしなければいいが。我々はロードでも、ましてやアーティストでもない」
　初日に自警団の一人が追い払う最中に深追いして、毒の矢を射られている。
　追い払うことは重要だが、貴重な人材を失うことは避けたい。
「……率直に言うが、どう思う？」
「人攫い目的の徘徊……とは思えません。勿論、不用意に村から出れば、襲撃してくるとは思いますが」
　村長宅の応接間に貼り付けられた村の上面図に、グリーンスキンを見かけた位置をピン止めして、エルミーナは細腕を組み、細い眉を顰めながら話す。
「……追い込み猟を思わせるものは、あります。この三日三晩の偵察は、我々に外へ救援を出させないためのものかと」
「やはり危険か」
「奴らは狼や猪を乗り物として使用すると聞きます。軍馬でもない馬で振りきれるかどうか……」
「仮に篭ったとして、どうだ？」
　エンボスが険しい顔で尋ねる。その表情は、既に理解していて、あくまでも確認を行うものだ。
「私はメイジではありませんから明確にはお答えしかねます。　が、厳しいのではないかと。私は勿論、おそらくリュケイン団長にも、そういった戦いの経験はありません」
「そうか。俺も小競り合い程度のやり方は熟知しているが、な」
　村には見張り櫓も、防壁も、規模に見合った十分なものが用意されている。しかしながらこれは、抑止力に近いものだ。実際のところはこういった危機に対し派遣されてきたロードやメイジが自警団や狩人たちを率いて活用する。
　当の村人たち自身のみで積極的に有効活用した経験は、あまりにも少ない。
「相手の規模も不明ですし、我々だけで対処するには、あまりにも不足かと」
「……うむ。しかし、備えねばならん。俺はもう少しやり方を考える。そちらはリュケイン団長と相談し、篭もる準備を進めておいてくれ」
「分かりました」
　退出していくエルミーナの背中を見送り、エンボスはどっかりと椅子に腰掛け、無い頭で策を練る。
　願わくば、望外の幸運が得られることを望みながら。

ハンドアウトPC1～PC4
あなたは何がしかの理由によりある日の夕暮れ前、目的地であるドッコーカノ村に到着した。
または別の目的の最中、ドッコーカノ村の近くを通りがかり、野宿よりは、との思いで立ち寄った。
何者かに見られているような気配を感じながら。